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心理学科

2024.04.30

サーモンと人間の学習の違いから考えた AI の発達と人類の未来

 心理学科では,「学習・言語心理学」という科目があります。

 第2回の授業で,人の学習と遺伝子に組み込まれた学習について解説し,AIのことも少し言及した後にディスカッションを行いました。その時に,心理学科1年生の田端さんが以下の内容を発表してくれました。

 AIが人を支配するという内容の映画があります。田端さんの発表を聞きながら,田端さんが考察した内容が映画化されたらどんな感じになるのだろうかと考えていました。

                 担当   五島 史子
サーモンと人間の学習の違いから考えた AI の発達と人類の未来
                     
 海を泳いでいるサーモンと、我々人間には「学習」に大きな違いがある。この学習の差を学んだ時、AIのことが浮かんだ。そして、AI の発達と人類の末路について考えた。

 サーモンは、どうやって泳ぐのか、どうやって餌を取るのか、どこに向かうべきか、といった生きることに必要な情報が生まれた時に遺伝子に組み込まれている。そのため、生まれたときから泳ぐことができるし、餌を食べて生きることができる。一方で人間は生まれた時は自分一人で生きることができず、生まれたあとに、生きるために必要なことを学んでいく。サーモンと人にはこういった違いがある。

 こうした違いについて授業で学んだ時、サーモンの学習の特徴は、AI に似ていると考えた。AI はあらかじめ行動をプログラミングされていて、プログラムされた行動を行う。これはサーモンの、生きるための情報が遺伝子に組み込まれているという特徴と似ている。

 AI は更に発展し、学習能力を兼ね備えている。人間も学習する生き物だが、近年 AI の学習能力は人間を超えていると考える。一方現代社会では、スマートフォンの普及などで誰でもインターネットに触れることができ、誰でも簡単に情報を得られる時代になった。そうなったことで、人間の学習能力は低下しているのではないだろうか。そうだとすると、近い将来、人間は学習能力を失い、逆に AI は今よりも更に学習能力を向上させていくかもしれない。

 そうなると、人間がサーモンのような学習の必要のない生き物になり、逆に AI が人知を超えて地上を支配する、といったことが起こるかもしれない。AI と人間の逆転現象が起こり、人が滅びる未来もあるのだろうか。

                         田端優宇
                        

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