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心理学科

2024.11.20

授業風景


人の情報処理過程には,「ボトムアップ処理」と「トップダウン処理」があります。

「ボトムアップ処理」は,感覚器官から得た生の情報を脳の中枢神経で組織化された知覚表象に変換する処理です。

他方の「トップダウン処理」は,脳から感覚処理過程の初期段階に情報を送り戻す処理です。

今回は,「認知心理学」の授業で説明した「トップダウン処理」についての学生のコメントです。

様々な視点で考えてくれています。読んでいて楽しくなります。   

科目担当 五島史子
早川 史恩

授業では、トップダウン処理の例として以下のことを考えていました。

夜、寝ているときに腕がなんだかくすぐったく感じ、「埃が風で腕についたのかな?それとも虫かな?」と思ったが、眠かったのでそのまま放っていました。

しかし、腕の上で何かが動いているような気がして、ついに目を開けて腕を見てみると、やはり埃がついていました。

つまり、トップダウン処理とは、自分の期待や経験に基づいて予測を立て、頭に浮かんだ考えを先行させて理解しようとすることだと理解しました。

茨木 愛美

テントを熊と見間違えた説明の時に,最初は、色も形も全く違うのに間違えることなんてないだろうと思っていました。

しかし、よく考えると,私も怖いのが苦手でSNSで不意に怖い画像などが出てきた後は、いつもは気にならない小さな物音にビックリしたり、扇風機や洗濯物が人影に見えることがあったことを思い出しました。

熊となれば殺される恐怖もあると思うので見間違えてもおかしくないなと改めて思いました。

安田 遼

普段賑わってるところに友人と遊びに行った際に、とてもうるさくて会話ができそうにない状況であるにも関わらず、会話が成立するのは何故なのかと思っていました。

今回の授業で何故か解明することができて良かったです。


福島

人の情報処理では、客観的、物理的刺激だけではなく、記憶、感情、予想、期待などトップダウン処理が、普段意識していなくても行われているという話は、印象に残りました。

認知は単純な刺激-反応ではなく、複雑で多層的なプロセスであり、それが常に働いているということは、意思決定や行動の多くが、認識している以上に複雑な要因によって形成されていることだと思うので、脳のすごさを改めて感じる機会になりました。

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